金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿


名探偵コナンの犯人視点の物語が流行っていますが、金田一少年でもやっています。こちらは実際にあった金田一の物語をなぞって、そのまま犯人も金田一少年も出演しているという作品となっています。
金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿

ちなみにマガジンポケットで連載されているので、やんわりとでも見たいという方はウェブ書籍で見ることが出来ます。バックナンバーも少し見ることが出来るのでとても便利です。ウェブ配信、ついつい忘れてしまいますが、バックナンバーを簡単に見られるのはとても良いことだと思います。

こちらの作品は本当に犯人の事件簿、裏側をしっかりと見ることが出来ます。作品ごとによって何話かけるかは異なりますが、犯人視点で見ると本当にトリックって大変だなと実感することばかりです。
金田一くんはあっさりとトリックを暴いていますしその裏側なんて知ることはありませんでしたが、確かに実践してみようとすると大変なことばかりだと感じました。

犯人たちの事件簿を読むと、必ずといっていいほど原作を読み返したくなります。犯人視点で見ると、また面白いです。

あとは確かに原作と同じような場面が出てきます。そういえばこんなシーンがあったかもな、というのが、原作と全く同じ構図で出てきたりするんです。実際に巻末のおまけ漫画で、原作を模写したり真似して書くシーンがあるなんていっていました。現実の漫画だと自分以外の人が書いた作品の模写なんていけないことですが、これはあくまでスピンオフなのでよいのでしょうね。

あとちょっと困ったことが、時系列別ではないという点です。
初期の頃は結構時系列別になっていたんですが、途中から犯人視点で書きやすいもの、読者からのリクエストが多かったものになってきたのか、時系列がばらばらになってきました。だから原作をそのまま読んでいると、順番がばらばらで少し混乱してしまうかもしれません。

犯人視点を見た後に本誌を見返すと、こんなシリアスな場面なのに、真面目な顔をしているのに、影ではあんな努力をしていたんだなあと感じてしまいます。
トリックにはお金もかかりますし、労力もかかります。体力も必要だし、運だって必要な場面も多いでしょう。咄嗟の機転で動かなければいけないところだってあります。
そういった犯人のちょっと面白い場面がシュールに描かれているのが、犯人たちの事件簿です。金田一を過去に読んだことがある人には是非読んでもらいたいです。